第30回 京都ちーびず応援カフェin伏見

 平成28年3月2日(水)「第30回 京都ちーびず応援カフェin伏見」が大手筋商店街に近い町家改装のカフェ「みんなのカフェ」で開催されました。今回のテーマは『伏見地域の「ちーびず」づくり』と題して、既に、伏見地域で活発に活動されている団体の方、伏見地域とつながることに関心のある方々をはじめ、丹後地域で活動する団体の方も駆けつけられ、30名以上の方が参加されました。会場となったカフェスペースは大変な熱気に包まれ、活発な意見交換が行われました。
 また、地域力ビジネス課の長友課長からは、ちーびずの説明に加えて、次の新たな取組である「地域の産業・まちのお仕事体験ちーたび」の説明もあり、参加者の興味も高く、今後の地域の応援者を増やす取組への関心が高まりました。

1.みんなのカフェの活動紹介(みんなの手代表 西山祐子さんより)

 代表の西村さんは2011年東日本大震災で京都府の受け入れを知り福島から2歳のお子様と自主避難されてきました。そして、避難先の宿舎で自助の避難者支援の会「みんなの手」を立ち上げられました。その後、フランス財団の方からの支援もあり、メンバーに反対される中、地域の方と被災者をつなぐことができる場である「みんなのカフェ」を2013年にオープンし、地域の親子や女性対象のワークショップ、そして西山さんご自身が英語講師であることから英会話教室なども開催しています。他地域の被災者支援団体の事業縮小などが見られる中、不安もお持ちですが、このカフェが地域に必要なコミュニティカフェとして、京都の伏見と丹後、そして福島とをつなぐ場として存続させていきたいです。


2.ランチは福島と京都のコラボレーション

 今回はランチでの開催。会津のわっぱ飯が提供されました。無添加でこだわりの調味料や京都の食材をつかって仕上げられた、東北と京都のコラボにこだわった逸品です。たくさんのお野菜に加え、鶏肉・鮭・ホタテが載ったボリュームたっぷりなわっぱめしに、さらに優しいお味のおばんざい付。また、京都の人にも受け入れられてもらえるよう、京都の枝豆も活用して試行錯誤を重ねられてつくられた東北地方発祥のずんだもちも提供していただきました。

3.まとめ

 今回の会場であるみんなのカフェの代表西村さんからは、今回の意見交換会を通して、たくさんのアイデアを頂きうれしい、カフェを継続させていく自信になったとの感想を頂きました。さらに「伏見は昔は伏水だった。そんな『水の京都』を伏見から発信していきたいし、『みんなのカフェ』を伏見地域のちーびずの発信拠点としたい」という力強い意気込みをお話しいただきました。被災者・被災者の支援の場としてだけでなく、福島と京都の地域の人たちを結び、地域に必要とされる存在として「みんなのカフェ」の今後の取組にもますます期待します。

  ●平成28年3月15日掲載 【文責】一般社団法人京都府中小企業診断協会 阪本純子


【問い合わせ先】 京都府地域力ビジネス課(京都府ソーシャル・ビジネスセンター) 電話075-414-4865

◆グループ意見交換会レポート 1グループ

①ちーびずバーの開催
大手筋商店街は、夜になると日中の賑わいから一転して人通りも少なくなり、特に脇道にそれると途端に寂しくなる。
賑わいを取り戻すため、アルコールも提供する「ちーびずバー」をみんなのカフェで定期的に開催してはどうか。
大規模な改装をしなくても、少し照明を落とすだけで雰囲気は出せそうだ。毎月決まった日に地域活動に参加する人たちが集まって、意見や情報を交換することは有意義で、2千円程度の会場代+1人3千円程度の飲食代なら負担できる範囲だ。伏見楽舎の方々の体験でも、会議する場所を探すことが意外に難しかったので、ニーズはあると思う。
(貸会議室はコストが高いうえに、空室が少なく、また一般の飲食店では目的にそぐわない店も多いので、身近にスペースが提供できれば、街の情報発信基地として存在意義は高いと思われます。)
②鮮魚の即売会
京都府南北地域のコラボ事業として、例えばセヤノコから鮮魚を運搬し、イベントとして鮮魚即売会を実施してはどうか。
大手筋を含め、一般的に街の魚屋は減少しており、営業しているところも伊勢や明石といった他県のつながりを持った店が多く、地元丹後の魚が扱われているところが少ないように思われる。
また若い消費者を中心に、大半の人は魚の捌き方が分からず、スーパーなどの調理済商品に流れているが、本当の魚のおいしさが分かれば、魚屋で魚を買うという選択肢が浮上すると思われる。
丹後から出張してもらい、魚の捌き方やおいしい調理法などの料理教室も併催すれば相乗効果もあるのではないか。
天候の関係等で、必ずしも予定の漁獲がない場合でも、丹後野菜即売などとセットでの開催が考えられる。
(みんなのカフェで開催できれば、新規の人にも店の存在を知ってもらえ、顧客獲得のチャンスが広がるほか、丹後食材の活用により、特色あるランチの提供も期待できそうです。)


  【文責】一般社団法人京都府中小企業診断協会 藤村正弘

◆グループ意見交換会レポート 3グループ

 グループ内にイベント企画・運営、丹後の野菜の生産者、伏見の伝統や文化を伝承する活動をされている方々などがおられ、それぞれの団体とどのような連携が考えられるかという視点で活発な意見交換がされました。
①定期的な音楽イベントの開催
 「ぴあぴあコミュニティサポート合同会社」は、「みんなのカフェ」から徒歩5分ぐらいのところにある。イベントの企画、運営や商店街の活性化、映像制作などを行なっている会社である。これらのノウハウやアイデアを活かして、コラボレートできればと考えた。例えば、音楽のイベント。伏見で活動している音楽家や、伏見にまつわる音楽などをテーマにして、定期的にLIVEを行なう。夜間の集客が課題だということなので、お酒と音楽をテーマに、週一回や月一回の定期イベントとして定着させて集客増につなげる。
②丹後産の食材を使った期間限定メニューの開発
 セヤノコさんと連携し、丹後地域で採れた野菜などの食材を使った期間限定メニューを開発し、「みんなのカフェ」で提供する。食材の価値を消費者に伝えるために直接生産者に来てもらって説明してもらうのもいいが、移動にかかる費用や時間が大きな負担となる。そこで、ぴあぴあさんに動画を撮影してもらってPRするというのも一つの考えである。
③伏見の歴史、文化、史跡などを探訪
 伏見楽舎の方にガイドしてもらい、伏見地区の歴史や文化を知ってもらう「ちーたび」を企画する。地元の人でも知らなかったことを改めて知ってもらうことで地域に対する愛着も湧く。子連れで安心して来ることができるカフェとして定着している「みんなのカフェ」と連携して、親子連れで楽しめる内容にしたい。単発で終わらないようにするため、 4回~5回のシリーズにする。

  【文責】一般社団法人京都府中小企業診断協会 梅林 守

◆グループ意見交換会レポート 4グループ

 グループ内には個人や団体で様々な活動をされている方、すでにここで教室を開催されている方などがおられ、目的の共通点もみられ、それぞれの事業を活かしたコラボ、そして伏見地域の特性も交えた話での意見交換が盛り上がりました。
①夜の賑やかな場として
 ただお店をあけているだけでは人が入らない場所。地域で活動する団体の会合で定期的に使うことで賑やかにすることから始める。会費制にして伏見のお酒と郷土料理などを準備してもらう。賑やかな雰囲気で地域の人にも気軽に立ち寄れる夜の社交場、つながりをつくる場にしていく。
②丹後と福島の食文化発信の場
 伏見は丹後出身の方も多く住まれていている。せっかくなので地域の人に限定で郷土料理をつくってもらい持ち込みで10食限定などで限定提供する。福島の料理、丹後の料理などがいろいろと味わえる場とする。料理教室も開催する。
③地域外のカフェとのメニュー交換やちーたびなどの実施
 相互のお客さん誘導、地域間交流を促す黒豆コーヒーのカフェ、丹後の野菜販売を金閣寺付近でされている方がおられ、伏見地域との交流、コラボでそれぞれの地域のことを知る機会にもなり、ファンを増やせるのではというアイデアが出た。
④多言語ワークショップ&布ナプキン講座のコラボカフェ開催
 今もここで多言語ワークショップはやっているが、布ナプキンの話など、親子で参加できるのイベントができないかということ。また布ナプキンの手作り教室などで、手仕事として、得意な方はそれをカフェで販売することもいいのではという話が出た。

  【文責】一般社団法人京都府中小企業診断協会 阪本純子



 

京都ちーびず(京都地域力ビジネス)