京の起業家 No.32

株式会社ブレイクスルー

 京都商工会議所よりご紹介をいただき、2020年6月に株式会社ブレイクスルーを設立された須山修太郎様にお話を伺いました。

株式会社 ブレイクスルー
代表取締役
須山 修太郎 様


事業の概要を教えてください。


 飲食料品を取り扱うファブレスメーカーとして「ゼリー」を軸としたさまざまな商品の企画・製造・販売などのビジネスを展開しています。法人設立から約1年でまずは酒造メーカー様とコラボし、お酒ゼリー「ぷる~酒」として商品化、2021年の5月には京都市伏見区の竜馬通り商店街に「ぷる~酒」の小売、イートイン店舗をオープンしました。梅、ゆず、みかん、ももなど果実酒を活かしたお酒ゼリーを販売し、「ぷる~酒カクテル」は当店の人気メニューとなっています。また、飲食店や道の駅、酒蔵様などへの卸販売も行っています。

なぜそのような商品開発に取り組んでいるのですか?

店舗外観
 日本酒文化を盛り上げたい、日本のお酒市場に新しい顧客層を取り込みたい、というコンセプトを形にしました。自分自身日本酒が好きで、文化として後世に伝えたいという思いがありますが、日本酒の市場規模は30年前のピークから半分以下に縮小していることに危機感を持っています。
 「ぷる~酒」は梅乃宿酒蔵株式会社様と縁があってコラボ商品を開発することができ、お酒ゼリーだけではなく原料となっているお酒の購入にもつながれば良いと思い店舗でも併売しています。今後も様々な酒蔵様とコラボ商品の開発に取り組み、お酒市場へ新たな顧客層の取り込みに微力ながら貢献したいです。

そもそもどのような経緯で起業されましたか?


 大学院卒業後に父が立ち上げたベンチャー企業に参画し、主に資金調達等の財務管理の仕事をしていました。会社の平均年齢は50代で非常に専門性の高いメンバーと共に仕事をする中で多様な経験を積む機会に恵まれ、そのうち自らも起業を志すようになり、私の思いを理解してくれた3名の現役員メンバーと共に現在のビジネスを立ち上げることになりました。

起業にあたり苦労されたことがあれば教えてください。


 商品開発にあたっての生産パートナー探し、資金調達、店舗の物件探し、デザイン検討など様々な局面で多くの方々の協力を得て着実に進めることができました。コロナ禍での起業は覚悟していましたが予想外のコロナ感染拡大の長期化とその中での店舗立上げということで販売面での逆風はありますが、おかげさまで現状は順調にビジネスを展開させていただいています。

京都商工会議所様からのご支援内容は?


 補助金申請にあたり商品の魅力を言語化することに苦労したため、計画書作成に様々なアドバイスをいただきました。おかげさまで採択いただき、ECサイトの立ち上げ、販路開拓のチラシ作成等に補助金を活用させていただいています。

今後の展望についてお聞かせください。


 「ぷる~酒」としては百貨店や催事等での出店機会の拡大による認知向上、菓子店や飲食店等への加工材料としての提供など、BtoBの販売先開拓をテコ入れします。凍らせることでシャーベットなどの楽しみ方もあり、従来のお酒ゼリーにはない高アルコールを含有していることでの新感覚の魅力をより多くの方にお届けし、皆様に愛される商品に育てていきたいと考えています。
 10年後など長いスパンで考えたときには、今後、様々な企業との提携案件を実績として残し、私たちの取組をより若い世代のロールモデルとして影響が与えられるような存在になることが目標です。
(取材 松下 晶)

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【京都商工会議所 経営支援員 松井氏より】
 経営者が日本酒文化の復興に使命感を持ち、新たな商品を産み出す創造性と、市場に投入するチャレンジ精神があれば道は開けるということを証明したいとの思いで支援しています。 創業より、原材料のお酒そのままのゼリーという新規性を、メーカーではなく顧客の視点から広報するよう補助金活用等の支援をしてきましたが、今後も継続して、BtoBの販路拡大につながるコラボ先発掘等さらなる可能性を広げられるよう支援していきます。

法人概要

 ■株式会社ブレイクスルー / ぷる〜酒 京都伏見店
  Web:https://www.b-through.co.jp/lp01/
  住 所:〒612-8046 京都市伏見区塩屋町239番地
  営業時間 11:00~ 22:00 (※緊急事態またはまん延防止期間中は20:00閉店)

ページのトップへ戻る